収蔵とは、所有ではなく、
再会の準備です。Collection Policy

渋谷東収蔵庫は、作品を所有することよりも、作品と再び出会うための状態を整えることを重視しています。

当館の収蔵対象は、世界各地の美術館、博物館、研究機関等がパブリックドメインまたはCC0として公開している高精細画像を中心とします。それらはすでに誰かのものであると同時に、誰のものでもなく、そして、もう一度誰かの記憶になることを待っている画像でもあります。

収蔵にあたっては、作品の来歴、作者、制作年代、所蔵元への敬意を前提とし、画像の状態を一点ずつ確認します。解像度、色調、階調、損傷、余白、傾き、沈黙の濃度などを慎重に見極め、必要に応じて補正、整備、再構成を行います。

当館では、この作業を「修復」と呼びます。ただしそれは、失われた過去を完全に取り戻すための行為ではありません。むしろ、作品が現在の鑑賞環境の中で、もう一度静かに息をするための準備です。

また、渋谷東収蔵庫では、収蔵品を固定された資料としてだけではなく、新たな表現の起点として扱います。作品の一部を拡大し、反復し、回転させ、重ね、分解し、別の文字や音や動きと結びつけることがあります。それは作品を消費するためではなく、作品がまだ持っている可能性を、現代の鑑賞者の前に開くための試みです。


過去の作品は、過去に閉じ込められているわけではありません。名作は、静かにしているだけで、案外こちらの様子をよく見ています。